[ワシントン 18日 ロイター] - トランプ米大統領の通商政策による景気への悪影響を巡り懸念が高まる中、23の米経済団体は18日、トランプ大統領が独断で関税を発動することを制限するよう議会に連名で要請した。
全米貿易協議会(NFTC)の主導で関税改革連合(Tariff Reform Coalition)を結成したことを明らかにし、議会に貿易政策を巡る影響力を強め、大統領による関税利用の監視を強化するよう求めた。
NFTCのルーファス・エルサ会長は声明で、米国憲法は議会に通商を規制する権限を与えていると指摘し、議会は関税利用が例外的な状況のみに限定されるよう努める必要があると主張。「1930年代以降、米国がこれほどまでに関税に依存したことはない。一部に資する一方で、他の産業や経済全体への幅広い影響は看過している」と批判した。
23団体は貿易問題を扱う下院歳入委員会と上院財政委員会に宛てた書簡で「米政権が過去2年間に実施した関税措置の多くにより、国内物価に大きな影響が及び、米国の輸出に対する広範な報復措置を招いたことは明らかだ」と指摘し、現在検討されている措置が発動されれば、さらに悪影響が広がると警告した。
書簡には食品製造者協会(GMA)や全米小売業協会(NRF)、世界自動車メーカー協会(AGA)、米国際自動車ディーラー協会(AIADA)など主要経済団体が署名した。
米議会は、通商拡大法232条に基づくトランプ大統領の権限を抑制するいくつかの法案を検討している。大統領は同法を理由に鉄鋼・アルミ輸入に関税を適用したほか、日本や欧州連合(EU)からの自動車輸入に関税をかける可能性を示している。
下院歳入委員会の共和党トップ、ケビン・ブレイディ議員は、通商政策における役割拡大を議会は望んでいるものの、方法を巡ってはコンセンサスが得られていないと指摘した。
また、中国に対抗する必要があることで議会は一致しているとした上で、米中が最終的に通商協議で合意することを慎重ながらも楽観視していると述べた。
さらに、トランプ大統領が今週、関税障壁などに関して日本と協定を結ぶ意向を議会に通知したことについて、2段階のプロセスの一環として協定を結ぶ権限がホワイトハウスにあるかどうかなど、詳細が明らかになるのを待っているとし、「日本との包括的な協定を望んでいる。今回の第1段階が第2段階につながるかどうか見極める」と述べた。