[ニューヨーク 24日 ロイター] - 米野党・民主党のペロシ下院議長は24日、トランプ大統領の弾劾に関する調査を開始すると発表したが、2020年の大統領選で再選を目指すトランプ陣営は弾劾調査が再選に有利に働くと主張している。
同陣営の広報担当ティム・マータフ氏は「民主党が馬鹿な真似をした場合に備えて、多くの準備を整えていた。実際、民主党は馬鹿だった」と発言。
「おそらく献金が急増するだろう。大統領が圧倒的勝利に大きく近づいたと考えている」と述べた。
同氏は、ペロシ議長が弾劾調査を発表した直後の15分間で25万ドルの献金を集めたと表明。
トランプ大統領も6週間前に撮影した動画を直ちにツイッターに投稿し、「(弾劾調査は)魔女狩りのくずだ」と批判した。
同大統領はニューヨークで記者団に対し「再選にプラスになると誰もが言っている」ともコメントした。
共和党全国委員会は8月下旬のモンマス大学の世論調査で弾劾に対する有権者の支持が低かったことを指摘。また、民主党主導の下院で弾劾決議が可決されても、共和党主導の上院で大統領が有罪にならないことはほぼ確実とみられている。
このため、ペロシ議長もこれまで弾劾調査には消極的な姿勢を示してきた。
トランプ陣営を勢いづかせているのも、こうした「弾劾は逆効果」という見方だ。
あるホワイトハウスの当局者は、大統領は懸念していないと一蹴。別の当局者も、民主党が2016年の大統領選でのトランプ氏の勝利をまだ受け入れられていない証拠だとコメントした。
元政権関係者は、トランプ陣営が弾劾調査を事前に予想しており、政治的に有利に働くと考えていると指摘。ただ、今後明るみに出る情報によっては、そうした見方にはリスクがあるとの認識を示した。
同関係者は「悪魔は細部に宿る。再選に有利に働くとの認識は(トランプ陣営に不利な情報が)本当に何も出ない場合に限って、正しい」と語った。