[バンコク 25日 ロイター] - タイ中央銀行は25日、政策金利の翌日物レポ金利を1.50%に据え置いた。決定は全会一致。また、2019年の成長率と輸出の予想を引き下げた。
中銀は、2019年の成長率予測を2.8%とし、3カ月前に示した3.3%から下方修正した。輸出については1%減と予測した。これまでは伸び率がゼロになるとの予測を示していた。
2019年の総合インフレ率予想は1.0%から0.8%に引き下げた。
経済予測の下方修正は過去9カ月で4回目。
ティスコ・グループのエコノミストは、予測の引き下げは「サプライズではない」としたうえで「下方リスクが深刻化しなければ、政策金利は年内は据え置かれるだろう」と述べた。
<さえない見通し>
しかし、利下げを予想していたキャピタル・エコノミクスは「さえない景気見通し」を踏まえると年内に利下げが1回あると引き続き予想している。
中銀金融政策委員会は声明で、現在の政策金利は依然「緩和的」で、成長に寄与し、総合インフレ率の上昇を支援するとの見方を示した。
また「金融の安定ヘのリスクには、すでにある程度対処しているが、なお注視が必要なリスク要因がある」とした。
バーツ高に対する懸念も表明。バーツは年初来で対ドルで約6.5%上昇。アジア通貨のなかで最も上昇している。
事前のロイターの調査では、エコノミスト20人中13人が金利据え置きを予想し、残りは25ベーシスポイント(bp)の利下げを予想していた。
8月は市場の予想に反して、2015年4月以来となる25bpの利下げを5対2で決定していた。
アユタヤ銀行のエコノミストは、今回は全会一致の据え置き決定だったことから、年内の2回目の利下げの可能性は低下したものの、1回の利下げでは不十分だとし、12月までの追加利下げを予想した。
今月19日、インドネシア中銀は3会合連続の利下げを決定。フィリピン中銀も26日に今年3回目の利下げをすると予想されている。
タイの第2・四半期国内総生産(GDP)は、輸出の低迷で前年比2.3%増と約5年ぶりの低い伸びとなった。
INGは、第3・四半期も同程度の伸びを見込み、2019年の成長率予想を2.8%から2.5%に引き下げている。
タイ政府は前月、100億ドル規模の景気てこ入れ策を打ち出し、必要ならさらなる措置を講じる方針を示している。
*内容を追加しました。