[バンコク 30日 ロイター] - タイ中央銀行のウィーラタイ・サンティプラポップ総裁は30日、今年の経済成長率予測を2.8%に下方修正したことについて、潜在成長率を下回っており、状況が悪化すれば金融政策を見直すと述べた。
中銀は先週、今年の経済成長率を3.3%から2.8%に下方修正した。昨年の経済成長率は4.1%だった。
総裁は記者団に「まだ危機ではない」とした上で「経済状況が我々の予測と異なれば、金融政策を見直し、政策手段を活用する用意がある」と表明した。
中銀は8月、2015年以来初となる予想外の利下げを実施。先週は政策金利を1.50%に据え置いた。
中銀は次回11月6日に金融政策を見直す。一部のアナリストは年内の追加利下げを予想している。
総裁は、巨額の経常黒字や海外直接投資の拡大を背景とするバーツ高を懸念しているとも表明した。
1─7月の経常収支は200億ドル近い黒字だった。
総裁は、投機資金の流入抑制策を導入して以降、バーツの投機がほとんど見られなくなったとも発言。株式・債券投資は純流出となっていると指摘した。[nL4N24D1HQ]
バーツは今年、対ドルで約6.5%上昇。アジア通貨で上昇率トップとなっている。