[スターレ(ウクライナ) 30日 ロイター] - ウクライナのゼレンスキー大統領は30日、7月25日に行ったトランプ米大統領との電話会談の記録をウクライナ側が公表する可能性は低いとの見解を示した。
米政府は前週、電話会談の概要を公表。トランプ氏が民主党のバイデン前副大統領の息子に絡む疑惑を調査するようゼレンスキー氏に依頼していたことが判明した。
民主党は2020年大統領選の同党の有力候補であるバイデン氏に打撃を与えるため、ウクライナ政府に介入を働きかけた不適切な行為として、大統領の弾劾調査を開始。トランプ氏は魔女狩りだと一蹴している。
ゼレンスキー氏は首都キエフ近郊の軍事施設で記者団に対し、ウクライナ側の会話記録を公表するのは間違いと感じていると説明。「特定のニュアンスや事柄は公表すること自体が誤り」との認識を示した。
トランプ氏の要請に従い、バイデン氏と、ウクライナの天然ガス会社の役員を務めた息子のハンター氏の調査を開始するかとの問いには、外国政府の指示のみで行動することはないと述べた。
「われわれは命令を受けて何かをすることはない。独立した国家だからだ」とした上で「調査する用意はあるが、私とは無関係だ。独立した法執行機関が法律違反に関するあらゆる事案を調査する用意がある」と語った。