[アンカラ 30日 ロイター] - トルコのアルバイラク財務相は30日、経済見通しを発表し、来年の成長率を5%に上方修正する一方で、インフレ率を8.5%に引き下げた。
トルコ経済は昨年の通貨危機以降、3四半期連続で前年比マイナス成長を記録したが、先行指標によると7─9月期はプラスに転じる見通しだと財務相は説明。「ソフトランディングを達成した」と述べた。
成長率の予想は2019年が0.5%、20年が5%。昨年示した見通しは19年が2.3%、20年が3.5%だった。
21年の成長率見通しは5%に据え置き、22年も5%とした。
インフレ率の見通しは19年が12.0%、20年が8.5%で、昨年示した予想値の15.9%、9.8%から下方修正した。21年は6.0%に据え置いた。
財務相は、金融政策と財政政策の協調を続けると表明し、政府は中央銀行によるインフレとの戦いを強く支持するとも述べた。
ただアナリストと投資家は、経済の外資依存を減らすような改革が進んでいないことに不満を抱いている。キャピタル・エコノミクスのシニア新興国市場エコノミスト、ジェイソン・タビー氏は「政府が景気刺激策を推し進めれば5%成長は可能だ」とした上で、無理に5%成長を達成すれば「新たな経済の不均衡を引き起こすだけだ」と話した。