[ワシントン 1日 ロイター] - トランプ米大統領の対ウクライナ圧力疑惑を巡り、ポンペオ国務長官は1日、大統領弾劾訴追に向けて調査を進める下院委員会が要請した国務省の高官ら5人の宣誓証言を拒否する考えを示した。一方、下院委員会の関係者は、5人のうち2人は証言に応じていると明らかにした。
下院は先週、トランプ氏弾劾に向けた正式調査を開始した。調査に絡み、下院外交委員会のエンゲル委員長は今週から来週にかけて国務省の現旧当局者5人から宣誓供述を得ることを国務省に要請した。
宣誓証言が求められているのは、ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使、ウクライナ問題の米特別代表を務めていたカート・ボルカー氏、駐欧州連合(EU)米大使のゴードン・ソンドランド氏、ジョージ・ケント国務次官補代理、ウルリッチ・ブレックブル国務省参事官の5人。
下院委員会の関係者によると、ヨバノビッチ氏が11日、ボルカー氏が3日にそれぞれ証言する予定。
ポンペオ長官はツイッターに書簡を投稿し、エンゲル委員長の要請は「威嚇や脅し、国務省の優秀な人材を不適切に扱う行動と受け取れる」とし、懸念を表明。全力をかけて「国務省職員に対するいかなる脅威も阻止する」と言明した。
米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は先に、大統領弾劾に向けた正式調査の引き金となった7月のトランプ大統領とウクライナのゼレンスキー大統領の電話会談にポンペオ長官が同席していたと報道。
エンゲル委員長のほか、下院情報委員会のシフ委員長、下院監視委員会のカミングス委員長は声明で、この報道が正しければ、ポンペオ長官は「事実の目撃者」だと指摘。また「国務省職員を含め、証人を脅したり、議会証言を阻止しようとする試みは違法で、弾劾調査妨害の証拠になる」と警告した。
国務省は4日までに下院外交委の召喚状に回答するとした上で、宣誓供述を用意する十分な時間が与えられておらず、行政機関との相談なく5人が宣誓供述に応じることはないという可能性を示した。