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北朝鮮がSLBM発射か、米朝の実務者協議を目前に

発行済 2019-10-02 17:22
© Reuters. 北朝鮮がSLBM発射か、米朝の実務者協議を目前に

[ソウル 2日 ロイター] - 韓国政府は2日、北朝鮮が同日朝に発射した弾道ミサイルについて、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験だった可能性があることを明らかにした。[nL3N26N0BL]

ミサイルは450キロ飛行し、高度910キロに到達。北朝鮮が開発するSLBM「北極星」系列とみられるという。鄭景斗国防相は国会の委員会で発言し、「北極星」の射程は約1300キロとみられることから、今回の発射は意図的に角度をつけて高く打ち上げ、飛距離を縮めた可能性があると述べた。

北朝鮮によるミサイル発射は、米朝首脳が南北軍事境界線で会談した6月30日以降、9回目。 5日には両国の実務レベル協議の再開を控えており、韓国の国家安全保障会議(NSC)は今回のミサイル発射に強い懸念を示した。[nL3N26M2G6]

北朝鮮はこの日、朝鮮労働党機関紙の労働新聞を通じて、米韓合同軍事演習は「以前と変わらず攻撃的」などと批判。「北南(南北)関係の膠着の原因は南朝鮮当局の不誠実な行動にある」と強調し、韓国に対する姿勢を変えていない。

米タフツ大学のフレッチャー法律外交大学院のLee Sung-yoon教授は「北朝鮮はこれまで米国に対し、アメとムチの戦略を何度も取り、成功してきた」と指摘する。

米政府高官は匿名を条件に「引き続き情勢を注視し、地域の同盟国と緊密に連絡を取っている」と述べた。

<日本が短距離ミサイルの射程に>

日本政府によると、ミサイルは午前7時27分ごろ、島根県沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。

日本の菅義偉官房長官は当初、北朝鮮が2発のミサイルを発射したとしていたが、その後、1発のミサイルが2つに分離して落下した可能性があると修正した。[nT9N26H01A]

日本側は発射されたミサイルを分析中で、韓国側が指摘するSLBMだった可能性については「断定するには至っていない」(河野太郎防衛相)としている。ただ、通常よりも角度をつけて高く飛ばす「ロフテッド軌道」で発射したとみている。[nL3N26N0JP]

元海上自衛官で、現在は笹川平和財団で上席研究員を務める小原凡司氏は、「北朝鮮が(技術を)確立している短距離弾道ミサイルは、半島はカバーできるが日本まで届かない」と指摘。「潜水艦発射型なら前方に出て発射できるため、日本が短距離ミサイルの射程に入ることになる」と話す。

安倍晋三首相は官邸で記者団に対し、「弾道ミサイルの発射は国連決議に違反する」とした上で、厳重に抗議し、非難すると語った。[nL3N26N046]

これまで日本と韓国は、北朝鮮がミサイルを発射した際などに、軍事情報包括保護協定(GSOMIA)に基づき情報共有をしてきた。関係悪化を受けて今年8月に韓国側が破棄を決定したが、11月まで協定は失効しない。

菅官房長官は、今回のミサイル発射を巡って情報のやり取りがあったのかどうかについて「韓国とは適切に連携しているが、情報共有の細部については控えたい」と話し、詳細への言及を避けた。

*内容を追加しました。

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