[ボストン 4日 ロイター] - 米ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は、州による経済格差について懸念を表明した。総裁は、「比較的貧しい州と比較的裕福な州の間における所得分配のギャップはもはや縮小していない。比較的貧しい州から比較的裕福な州への移住は減速している」と語った。
米国では20世紀の大半で比較的貧しい地域の所得の伸びが比較的裕福な地域よりも大きく、労働者は最善の機会を求めて移動し、経済成長の恩恵は教育水準の低い層にも広がった。
1980年代以降、このプロセスは反転。この結果として、成功している地域とそうではない地域との経済面での分裂は「解決策を大声で求めている」──。総裁はこの分裂を巡る研究会議における開会の辞(原稿)でこうした認識を示した。
総裁は、「繁栄している地域の住宅コストはそれほど裕福ではない地域の労働者にとってあまりに高くなっている」とした。さらに、「われわれは新たな政策を試す必要がある」と指摘した。