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合意なき英離脱なら銀行は21日に臨戦態勢、市場の混乱10日前倒しも

発行済 2019-10-10 08:40
更新済 2019-10-10 08:46
合意なき英離脱なら銀行は21日に臨戦態勢、市場の混乱10日前倒しも

[ロンドン 9日 ロイター] - 英国の欧州連合(EU)離脱を巡る混乱が、市場や金融機関に10日早く到来する恐れがある──。複数のバンカーはこう話している。

ブレグジット(英のEU離脱)期日は31日。先月議会で可決された法律に基づくと、17日のEU首脳会議で英政府が離脱協定に合意できない場合、ジョンソン首相は19日までに離脱延期を要請することが義務付けられている。一方、ジョンソン氏が先週発表した新たな提案は、EU側から受け入れられそうになく、同氏は離脱延期はしないと明言している。

つまりジョンソン氏が19日までに離脱延期を要請するのを拒否し、合意なき離脱が最も現実的なシナリオとなった場合、その後最初の営業日となる21日に市場や投資家がこうした事態に反応することになる。

5人の銀行関係者は、21日に株価や債券価格、ポンド相場が大荒れとなる展開に対処するための緊急計画が準備されていると述べた。

各金融機関のトレーダーは24時間態勢で職場にとどまる覚悟だ。少なくとも大手の2行は上層部がブレグジットの「コントロールルーム」を立ち上げて事業を統括するつもりで、規制当局は市場動向をリアルタイムで把握し続けている。

ある国際的な銀行の幹部は「誰もが市場が開く21日朝がブレグジットの流れにおいて重要なポイントだと認識している」と警戒感をにじませた。

英国の金融サービス業にとってEUは最大の輸出市場で、合意なき離脱となれば一部の国境をまたぐ事業に支障が生じる。結局離脱延期が要請されるなら内閣は総辞職、合意なき離脱が強行されれば議会の紛糾や法廷闘争が予想され、いずれも投資家を不安にさせるだろうとの声が聞かれた。

<市場はなお平穏>

ポンドは依然としてほぼ最近の取引レンジにとどまっており、市場は合意なき離脱が起きる確率をまだ50%未満と見込んでいる。ブレグジットに先立って総選挙が実施されるとの予想も支配的だ。

またオプション市場に今のところパニックの気配は見えず、予想変動率は落ち着いている。

それでも別の国際的な銀行の関係者は、21日から離脱期限の31日までの不安定な市場環境を何とか切り抜けるための詳細な計画が進行中だと説明した。

21日は英国の多くの学校で秋休みが始まるため、各銀行は社員に旅行や休暇について状況を良く考えて申請するよう促している。

この関係者は「われわれは強硬離脱シナリオへの備えを続けており、それはトレーディング部門にいつも以上の社員が必要なことを意味するかもしれない」と語った。

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