[シドニー 10日 ロイター] - ロス米商務長官は10日、訪問先のシドニーで講演し、対中関税の発動によって中国が米国の懸念に注意を払うようになったとの見方を示した。
在オーストラリアの米商工会議所が主催した会合でロス長官は、米国が1年以上前に発動した対中関税について、「われわれは関税が好きというわけではなく、むしろその活用は望まない。ただ、何年も協議を重ねても行動が伴わなかったのに、関税によって中国はやっと、われわれの懸念に注意を払うようになった」と述べた。
米中の通商問題を巡る閣僚級協議はワシントンで10─11日に開かれる予定。
ロス長官は、中国との協議で解決すべき最大の課題は、中国による合意順守を確実にすることだと指摘。「歴史的に見て、貿易協定は執行面で非常に弱かった」とし、中国に関しては「必要な改革の規模や複雑さを踏まえると、いかなる合意でも確実な実行を担保することが極めて重要な要素になる」と述べた。
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