[シドニー 21日 ロイター] - 10月の豪住宅価格は2017年半ば以来の大幅な上昇を記録する見通しだ。歴史的な低金利や融資基準の緩和を背景にシドニーとメルボルンで競売が活発になっている。
同国では2年にわたる不動産市場の低迷が、家計資産や消費者マインドに悪影響を及ぼしており、不動産価格の上昇は朗報といえる。
不動産コンサルタント会社コアロジックが21日発表したデータによると、主要都市では先週、住宅価格が0.4%上昇。今月20日までの1カ月では上昇率が1.2%に達した。
シドニーは週間ベースで0.5%上昇、月間ベースで1.7%上昇。メルボルンも週間ベースで0.6%、月間ベースで1.6%それぞれ上昇している。
前年比ベースでは、シドニーが3.0%低下、メルボルンが2.1%低下と、依然として価格の下落が続いているが、今年初めの年間2ケタの下落と比べると、下落ペースは鈍化している。
主要都市では、競売の成約率が2017年初め以降の水準に上昇。シドニーでは週末に競売にかけられた物件の成約率が80%を超え、過去のバブル期を彷彿とさせた。
主要都市では合計で1949件の物件が競売にかけられ、成約率は76%だった。
ウエストパックのシニアエコノミスト、マシュー・ハッサン氏は「春の取引シーズンが本格化しており、主要2都市では競売を取りやめる動きも少なく、取引が好調なようだ」とし「最近の成約率をみると、住宅価格は月1%以上、つまり四半期で3%、年間2ケタの上昇ペースを記録している」と述べた。