[オスロ 23日 ロイター] - 国際海底機構(ISA)のロッジ事務局長は、海底資源の開発を可能にする国際規則が来年策定されれば、中国がトップを切って探査に乗り出す公算が大きいとの見方を示した。
スマートフォンや電気自動車(EV)用バッテリーの需要に加え、供給多様化の必要性を背景に、ニッケル、銅、コバルト、マンガンを含む多金属団塊などの海底資源の開発を求める声が高まっている。
ISAは探査段階として、各国政府、調査機関、商業団体と30件の契約を既に締結。このうち、中国が5件で最多という。ベルギーや英国、独などの欧州諸国のほか、中東諸国からも関心が寄せられているという。
ISAは国連海洋法条約に基づき、海底資源開発を管理する目的で設立された。ISAは2020年7月までに、海底資源開発規則の採択を目指している。
先週、中国を訪問したロッジ事務局長は、「(探査開始では)まず中国が容易に着手すると認識している」と述べ、「鉱物への需要は莫大(ばくだい)で増加している。市場(規模)について、疑う余地はない」と語った。
ただ、深海での採鉱がコストに見合うかどうかは証明されておらず、非政府組織の一部は、来年中の規則採択に疑問符を付けている。
事務局長は、規則が来年7月までに採択される見通しについて聞かれ、「現在の草案はおおむね完成している」と述べた。