[東京 29日 ロイター] - 西村康稔経済再生相は29日の閣議後会見で、台風などの被害を受けて政府・与党が検討している水害対策について、「必要な予算をしっかり確保し、国民の生活と生命を守りたい」と述べた。また、消費は前回増税時よりも落ち込んでいないと従来見解を繰り返した上で、プレミアム商品券の利用促進のため広告を拡充する方針も示した。
政府・与党内では、2018年度末に打ち出した3カ年のインフラ緊急対策(事業規模7兆円)を拡充すべきとの声が増えつつある。西村再生相は、地元の兵庫県淡路島で河川改修により水害が減った例を挙げ、「対策を打てばしっかりと豪雨にも備えることができる」と強調し、必要なインフラ整備の拡充に前向きな姿勢を示した。
一方、総務省が同日公表した10月の東京都区部消費者物価指数(除く生鮮、コアCPI)は前年比0.5%上昇と前月から横ばいとなったが、再生相は「デフレ脱却に向けた(物価の)改善は続いている」との認識を示した。
再生相によると、内閣府試算では消費増税と幼児教育・保育無償化の影響を除いたコアCPIは同0.4%上昇となる。西村再生相は「デフレ脱却に向け、政府・日銀で緊密に連携しながら、あらゆる政策を総動員しデフレ脱却と力強い成長を目指す」と強調した。
金融市場で、今週開催の日銀金融政策決定会合では政策変更はないとの見方が強まっていることに関しては、「日銀が、状況を踏まえて適切に判断される」と述べるにとどめた。
消費増税後の消費動向については、「全体として、前回増税時よりも駆け込みや落ち込みは大きくない」との従来見解を繰り返し、「台風の影響もよく見極める必要がある」と改めて述べた。
低所得者や子育て世代を対象としたプレミアム商品券は、非課税世帯の利用申請が低調であることは「承知している」と述べ、テレビCMなどによる広告で告知に努めると強調した。
(竹本能文 編集:田中志保)