[サンティアゴ 6日 ロイター] - 南米チリでは反政府デモが続いているが、業界関係者によると、国内の銅鉱山は概ね通常通りの操業を維持している。
ただ一部の鉱山では散発的な破壊行為が起きており、先行き不透明感が根強いという。
チリは世界最大の銅生産国で、世界全体の銅の約28%を生産している。
コンサルティング会社プラスマイニングのファン・カルロス・グアハルド氏は「デモが激化し、主要労組がゼネストを計画すれば、鉱山会社が必要とするサービスが間違いなく悪影響を受ける」と指摘。
民間の大手鉱山会社のトップも「現時点では落ち着いているが、いつまで続くかわからない」と述べた。
一部の主要鉱山では、破壊活動が起きている。関係者によると、銅生産大手アンフトファガスタ (L:ANTO)のペランブレス銅山では送水ポンプ施設が放火された。
同社は抗議活動を受けて、今年の減産幅の予想を約1万トンに拡大。これを受けて5日の銅価格は値上がりした。
ただ、同社は昨年72万5300トンの銅を生産しており、減産率はごくわずかにとどまっている。同社は4日、他の国内鉱山が通常通り操業していることを明らかにした。
首都サンティアゴ郊外にある資源大手アングロ・アメリカン (L:AAL)のロスブロンセス銅鉱山では、輸送に混乱が生じており、影響を最小限に抑えるためコンティンジェンシー・プラン(不測の事態を想定した緊急対応策)が導入された。
同社のシャグレス精錬所ではエントランスが放火され、バス2台が焼けたという。
ルミナ・カッパーのカセロネス銅鉱山では、抗議活動が続いており、「最低限の人員」で業務を行っている。
鉱山労組や港湾労働者は、反政府デモと連携してストを実施する可能性を警告しているが、現時点ではストに突入していない。
英豪系資源大手BHPビリトン (AX:BHP)は先週、世界最大のエスコンディーダ銅山で労働者が一時的にストを実施し、生産ペースが落ちていると表明したが、翌日には通常通りの操業に戻った。