[ワシントン 14日 ロイター] - 米野党・民主党のペロシ下院議長は14日、ウクライナ疑惑をめぐりトランプ米大統領が行った行為は「賄賂」にあたるとの認識を示した。贈収賄行為は合衆国憲法で大統領弾劾の根拠として明示されており、ペロシ氏の発言は、民主党がトランプ氏の弾劾訴追に一段と傾いていることを示している。
ペロシ氏は記者会見で、偽りの調査について公式声明を出す見返りに、軍事支援を提供する、あるいは保留する、という行為は賄賂にあたると指摘し、「大統領が認めたことや、『完璧だ』と主張していることは、完全に間違っている。賄賂の行為だ」と主張した。
合衆国憲法は、大統領弾劾の根拠として、反逆や重大な犯罪などと共に、贈収賄行為も明示している。民主党はウクライナ疑惑を巡るトランプ氏の行為について、贈収賄や贈収賄の試み、という表現を使い始めた。
共和党は、下院民主党が既に弾劾条項の採決を決断したと指摘する。ただ、ペロシ氏はこれを否定。公聴会での証言を踏まえて判断すると説明した。
ペロシ氏はウォーターゲート事件をきっかけに1974年に辞任したニクソン元大統領とトランプ氏の行為を比較。国外からの協力を得て米大統領選を優位に進めようとし、それに関する情報を隠ぺいしようとしたトランプ氏の行為と比較すると「ニクソン氏の行為が小さなことのように見えてくる」と指摘した。