[ウィーン 18日 ロイター] - 国際原子力機関(IAEA)の報告書で、イランが2015年の核合意を新たに違反したことが18日、明らかになった。イランから重水貯蔵量が核合意が定める上限の130トンを若干超えたと報告があり、IAEAはこれを確認したとしている。
IAEAは加盟国に配布した報告書で「11月16日にイランから重水の貯蔵量が130トンを超えたとの報告があった」とし、「17日にIAEAは重水製造プラント(HWPP)の稼働を確認し、イランの重水貯蔵量が131.5トンであることを確認した」とした。
重水はイランがアラクで開発している種類の原子炉で減速材などとして利用される。この原子炉では原子爆弾に利用されるプルトニウムの精製が可能になる可能性がある。
重水貯蔵量について、イランは核合意締結直後にも上限を超えたことがあるが、合意締結国は上限を超えた分を国外に貯蔵し、販売先を模索することで超過を承認していた。