[オタワ 20日 ロイター] - カナダのトルドー首相は20日、2期目の内閣の閣僚を発表した。外相だったクリスティナ・フリーランド氏を副首相兼政府間関係相に起用したのが最大の目玉人事だ。
フリーランド氏は、北米自由貿易協定(NAFTA)を改定した米国・カナダ・メキシコ協定の合意で手腕を発揮。新しい政府間関係相として、政府の厳しい環境基準が主要産業であるエネルギーセクターに打撃を与える恐れがあると強く反発している西部のアルバータ、サスカチワン両州をなだめ、カナダの分断を避ける働きが期待されている。
背景には10月の総選挙で与党・自由党が過半数を失い、両州で基盤を失ったことがある。各種世論調査では、特にアルバータ州で分離独立の気運が高まっている。
ある自由党幹部は「政権で一番の優秀な人物を最も必要な分野に送り込む」と今回の人事を解説した。
フリーランド氏はトルドー氏や彼の側近と親しく、トルドー氏の後継者とみなされることも多い。
そのほかかつて国際貿易多様化相だったジム・カー氏をアルバータ、サスカチワン両州の特別代表に指名し、両州が政府に強く物を言える環境も整えた。
厳格な環境基準を導入したマッケナ環境・気候変動相は、インフラ・地域社会相に横滑りし、アルバータ州と太平洋岸をつなぐ石油パイプライン拡張案を支持しているジョナサン・ウィルキンソン氏がマッケナ氏の後任となった。
モルノー財務相は留任した。