[プノンペン 22日 ロイター] - トランプ米大統領はカンボジアのフン・セン首相に書簡を送り、カンボジアを「民主的な道」に戻すよう呼びかけた。地域で中国に最も近い同盟国である同国との関係の改善に努めた。
フン・セン首相を巡っては、人権面での対応を改善するよう西側からの圧力が強まっている。
トランプ大統領の書簡は11月1日付で、ロイターが22日に内容を確認した。それによると、大統領は「将来的な二国間関係にとって、あなたがカンボジアを民主的な統治の道筋に戻すことが重要だ」とした。
カンボジアの最高裁は2017年に野党「カンボジア救国党(CNRP)」の解党を命じる判決を下し、昨年の選挙ではフン・セン首相率いる与党がすべての議席を獲得した。首相は米国がCNRPを支援し、政府転覆のために東欧の絶対的指導者を倒したような「革命」を企てたと批判している。
トランプ大統領は書簡で、緊張状態の関係は両国にとってよくないと指摘。また「米国はカンボジア国民の主権意思を尊重し、政権交代を求めていない」と強調した。
その上で、カンボジアの将来的な安定性を脅かす「政府の決定の一部を見直すよう」求めた。書簡は中国には直接言及していないが、米国はこれまで、中国との軍事関係の強化に懸念を示している。
カンボジア政府の報道官は22日、政府はトランプ大統領が書簡で示した見解に同意すると述べた。