[テルフォード 24日 ロイター] - 英国のジョンソン首相率いる与党・保守党は24日、総選挙(12月12日投開票)に向けたマニフェスト(政権公約)を公表した。欧州連合(EU)からの離脱をこれ以上長引かせないため、12月中に新離脱協定案の関連法案の審議を再開し、2020年1月末までに離脱を実現すると表明した。
英中部・テルフォードでマニフェストを発表したジョンソン氏は「ブレグジットを実現すれば、保留になっている多数の投資案件が英国内に戻ってくる」と強調。「ブレグジットの実現により、われわれは英国民のための優先課題に注力することが可能になる」と述べた。
政権公約は、1月末のEU離脱を実現するため、EUと合意した新たな離脱協定案に関連する法案の審議をクリスマス前に再開するとし、離脱後の移行期間についても、20年以降に延長しないと明記した。
富裕層や企業への増税を表明している最大野党・労働党との違いを明確にするため、所得税と付加価値税(VAT)、および社会保障費の引き上げは行わないと強調。医療分野では、看護師の5万人増員などを盛り込んだ国民医療保険制度(NHS)への歳出拡大を確約した。
労働党のコービン党首は、保守党のマニフェストは富裕層のためのものだと批判した。
労働党も21日にマニフェストを公表。公的セクターの賃上げや法人増税、インフラ部門の国有化などで英国を刷新するという野心的な政策を盛り込んだ。