[ロンドン 25日 ロイター] - トニー・ブレア元英首相は25日のロイターのイベントで、英国の欧州連合(EU)離脱問題を左右する12月12日の総選挙に向けた与党・保守党と最大野党・労働党の姿勢について、ともに非現実的な考えを広めていると強く批判する見通しだ。自身は「主流派」に属する政治家を支持していくと表明する。
事前に明らかになった演説草稿で、ブレア氏は総選挙を前に国民は困惑し、不安にさいなまれていると指摘。「この混乱に終止符を打ち、悪夢から目覚めさせるために一致団結のムードが望まれている。それは全面的に理解できるが、こうした望みがわれわれを大きな過ちへいざなう恐れがあり、率直に言えばもう新たな過ちを許容する余裕などない」と述べている。
ブレア氏によると、ジョンソン首相率いる保守党は、これから何年もかかる可能性のあるEUとの将来の関係を巡る協議が始まるという現実をよそに、あたかもブレグジット(英のEU離脱)が完遂するかのような「幻想」を有権者に振りまいている。同様に、コービン党首率いる労働党も「革命」を無責任に喧伝しているものの、「革命にまつわる問題はどうやって始めるかではなく、どうやって終わらせるかにある」としている。
ブレア氏は有権者に対し、個別選挙区ごとに検討し、穏健な候補を支持するよう訴えるとともに、自らは労働党内の穏健派を応援する考えを示す。