[メキシコ市/ワシントン 25日 ロイター] - メキシコのロペスオブラドール大統領は25日、北米自由貿易協定(NAFTA)に代わる新協定・USMCA(米国・メキシコ・カナダ協定)について、ペロシ米下院議長に今週改めて書簡を送り、早期に下院を通過させるよう要請することを明らかにした。
ロペスオブラドール氏は、記者会見で「ペロシ氏と民主党議員がわれわれの力になってくれると信じている」と述べ、米議会が年末までにUSMCAを承認することを確信していると話した。
メキシコ政府は、10月もペロシ氏に書簡を送っている。
ただ、米企業幹部や議会関係者は25日、議会が今年中にUSMCAを承認する可能性は低くなりつつあるとの見方を示した。
トランプ米大統領は25日、「ペロシ氏は近く採決を行う必要がある」と強調。米議会が承認しなければ、カナダとメキシコが合意を取り消す可能性があり「そうなっても自分は両国を責めるつもりは全くない」と述べた。
USMCAの交渉を担当するセアデ外務次官は、ロペスオブラドール氏の記者会見に出席し、今年中に米議会がUSMCAを承認することに「悲観的」との認識を示した。
過去2週間で一部の労働関係者からメキシコが到底受け入れられない複数の提案が出されたと述べ、合意には程遠いとの見解を示した。
セアド氏によると、米国が労働問題に関するパネルの設置を求めていることが焦点の1つとなっている。そうしたパネルは、特定の分野に限らず全般的なものであるべきというのがメキシコの立場だと説明した。
また、実効性の保証も引き続き対立の原因で、米国はメキシコの自由度を奪うようなメカニズムを要求しているとし「そうしたものは受け入れられないと伝えた」と述べた。