[北京 27日 ロイター] - 中国は、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)が来週スペインのマドリードで開催されるのを前に、欧州連合(EU)が提案している「国境炭素税」は気候変動対策における国際社会の協調的な取り組みを損ねると指摘した。
EUのティマーマンス欧州委員(環境担当)は10月、気候変動対策が不十分な国からの輸入品に課す新税の導入に向けた作業を開始する方針を示した。新税は、気候変動問題への取り組みが十分でない国の製品に課税して輸入価格を高くすることで、欧州企業を不公平な競合から守ることが目的。導入されれば、欧州で中国製品の価格が上がるのは必至だ。中国政府は、そのような税は、裕福な国が温室効果ガスの排出量削減でより責任を負うべきというパリ協定の核となる原則に反すると考えている。
中国は27日公表したリポートで、欧州の国境炭素税構想は、米国のパリ協定からの離脱とともに、地球温暖化への世界的な取り組みに深刻な悪影響を及ぼすと指摘した。
中国生態環境省のZhao Yingmin次官はブリーフィングで「世界成長期待や、気候変動に共に取り組む諸国の意思が、単独主義と保護主義により損なわれるのをわれわれは阻止する必要がある」と述べた。
世界最大の温室効果ガス排出国である中国は、同国の気候変動への取り組みとして、2030年ごろまでに温室効果ガスの排出量をピークアウトさせると約束している。
Zhao次官は、2018年の二酸化炭素排出原単位が2005年比48.5%減少し、予定より2年早く目標を達成したと説明した。
国連環境計画(UNEP)が今週発表した報告書によると、2018年の中国の温室効果ガス排出量は約14ギガトンで、米国の2倍超だった。
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