[ストックホルム 29日 ロイター] - スウェーデン政府は11月29日、中央銀行法の大幅な修正案を明らかにした。総裁の権限縮小に加え、中銀の責務に経済成長促進を追加することなどを盛り込んだ。
政府委員会は、金融政策を決定する当局者の人数を現行の6人から5人に減らすことを提案。これまでは、政策を巡る投票で賛否が同数になった場合に総裁が決定権を持っていたが、そうした権限はなくなる。
政府委員会のマッツ・ディレン委員長は「理事会に多くのメンバーがいる中で1人に優先権を与えるのはおかしい」と指摘し、「中銀総裁の権限は全体としてやや弱まる」と述べた。
スウェーデン政府は、2008─09年の金融危機を受けて中銀の運営を見直す必要があるか検証するため、2016年に委員会を設置した。
修正案では、金融安定維持における中銀の役割を法律に成文化することや、議会による中銀監視を強化することも提案。現在は中銀が独立して設定しているインフレ目標について、議会の承認を必要とすることも盛り込んだ。
さらに、二次目標として経済成長の促進を責務に加えることも提案。「中銀は低く安定したインフレという目標を軽視することなく、バランスのとれた生産と雇用の発展に寄与すべき」とした。
この修正案は重要法案とみなされ、可決された場合の施行は2023年以降となる。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191202T032716+0000