[シドニー 10日 ロイター] - オーストラリア政府系シンクタンクの農業資源経済科学局(ABARES)は10日、干ばつの影響で2019/20年度の農業生産額が3年連続で減少するとの見通しを明らかにした。農業生産額が3年連続で落ち込むのは60年ぶり。
ABARESによると、19/20年度の農業生産額は前年比約3%減の610億豪ドル(414億米ドル)となる見通し。
農産品輸出への打撃はさらに深刻で、輸出収入は8%減の450億豪ドルと予想した。
ABARESは「ニューサウスウェールズ州やクイーンズランド州を中心に生産減少や投入コスト上昇が多くの地域で深刻な課題となる中、長引く干ばつの影響は一段と顕著になっている」と指摘した。
ほとんど雨が降らない状況が何カ月も続いており、ABARESは小麦の輸出量見通しを9月の予想から15.2%引き下げ、922万トンとした。乳製品の生産量見通しも約2%下方修正した。
一方、干ばつで家畜の飼育が困難になるため、牛肉の生産見通しは10%超引き上げ226万トンとした。
オーストラリアの農業部門は経済全体の約2%を占める。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20191210T022300+0000