[ジャカルタ 10日 ロイター] - インドネシア中央銀行のドディ・ブディ・ワルヨ副総裁は10日、中銀が融資規制の一段の緩和に向け作業していると明らかにするとともに、さらなる利下げの可能性を示唆した。
インドネシア中銀は今年、景気支援に向け、政策金利を4回、計100ベーシスポイント(bp)引き下げたほか、銀行の預金準備率も引き下げ、融資関連規制を緩和した。
ワルヨ副総裁は経済フォーラムで講演し、中銀が銀行の預貸率の算出方法としているマクロプルーデンシャル・インターメディエーション・レシオ(MIR)に関する規則を緩和する方針だと述べた。
中銀は現在、商業銀行にMIRを84─94%の範囲内に収めるよう指導しており、逸脱した銀行にはより高い預金準備率を適用している。
ワルヨ副総裁は講演後、記者団に、銀行が融資を拡大できるよう、ペナルティーが緩和される可能性があるが、不良債権比率などをモニターし、融資の健全性が保たれるようにする方針だと述べた。
政策金利については「さらに引き下げる余地があるが慎重を期さなければならない」と述べ、追加利下げは、米中貿易戦争や米金利の動向など、将来のリスクを評価したうえで、各種データをみて決定することになるとした。
また、引き続き銀行システムに潤沢な流動性を供給していくと述べた。
インドネシアの大手銀行BCAのエコノミスト、デビッド・スムアル氏は、中銀の措置は需要喚起につながりそうにないと指摘。
「政府の財政・構造政策と組み合わせなければ、金融政策の刺激は十分でない」と述べた。
中銀は今年の国内総生産(GDP)伸び率を5.05%、来年を5.3%と予想。融資伸び率は今年が8%前後で来年は10─12%と予想している。