[ブリュッセル 12日 ロイター] - 欧州連合(EU)の外交担当者らは12日、英総選挙で与党・保守党の勝利がほぼ確実となり、英国のEU離脱(ブレグジット)を巡る不透明感が払拭される見通しとなったことに歓迎の意を表した。
出口調査によると、12日投票の総選挙で、ジョンソン首相率いる保守党は下院(定数650)で圧倒的過半数を確保する勢い。
フランスのアメリー・ドモンシャラン欧州問題担当相は記者団に「今夜確実になったのは、透明性の確保だ」と指摘。
EU首脳は、1月末に予定されるブレグジット後の英国との将来の関係を巡る交渉について話し合うことになるとした。
「ブレグジットで最も重要な問題はどのように離脱するかではなく、離脱後に何を構築できるかだ」と強調した。
英国とEUはブレグジット後の移行期間が終了する2020年末までに通商協定について合意をまとめる必要がある。通商協定が結ばれなければ、英EU間の貿易に世界貿易機関(WTO)のルールが適用されることになる。
ただ、EUの当局者らは、1年以内に通商交渉を妥結するのは非常に難しいと警告する。
あるEU当局者は「これほどの短期間に将来の関係に話を進めるのは無理な注文だ」と嘆いた。
スウェーデンのロベーン首相は記者団に「非常に明確な結果で、あすの朝までに変わることはない」と述べたうえで「離脱に向け前に進むことになる。(将来の通商協定)締結のために残された期間は11カ月で、非常に短い」との見方を示した。
フォンデアライエン欧州委員長は「われわれは、必要なことは何でも交渉する準備ができている。あす(EU首脳の)評議会からその指令を受けることが重要になる」と説明した。
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