[リヤド 22日 ロイター] - 20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がサウジアラビアの首都リヤドで22日開幕した。麻生太郎財務相は初日の討議終了後の会見で、新型コロナウイルスの感染拡大によるリスクについて多くの国から言及があったが、日本への懸念の声は特になかったとした。同相は会議の場で財政余地のある国には果敢な措置への期待を表明したことを明らかにした。
初日は世界経済に関する議論が交わされた。同相は会議において「我々が直面している世界経済の下振れリスクをともに乗り越えていくためには、財政余力の大きな国に果敢な政策対応を期待したい、と申し上げた」と述べた。
同相によると会議では「ほぼ全員が新型コロナウイルスについて発言をしていた。しかし情報の絶対量があまりにも少ないのでよくわからないということがあるため、しっかり連携を取っていくことで認識を共有した」ことを明らかにした。
日本においてはすでに10─12月期成長率がマイナスとなっており、国内ではこの先も新型ウィルスの影響が顕在化して景気後退リスクへの懸念も浮上する中、同相は「今の段階で日本の経済リスクが急に高まっているとは考えていない」との認識を示した。
各国からも日本に対する懸念や対策に対する質問はなかったとした。
安全資産とされていた円の代わりにドルが買われていることについては、「為替については各国大臣は発言しないことになっている」として回答しなかった。
新型ウィルスによる経済リスクに財政あるいは金融政策でどのように対応しうるかに関連し、同相は各国により対応は異なるとしつつ「金融による影響の幅がかなり少なくなってきているのではないか」との認識を示した。そのうえで「財政出動ができる国、できない国がある。日本のようにいろいろ対応やってきている国がそれほどあるわけではない」として財政余地のある国への対応策への期待をにじませた。
(木原麗花 日本語記事作成 中川泉 編集:石田仁志)