[ローマ 12日 ロイター] - イタリア当局は12日、新型コロナウイルス感染による国内の死者が189人増加して1016人になったと発表した。政府による対策強化で経済活動は一段と停滞し、同国の株価指数は過去最大の下落率を記録した。
感染者は2651人増の累計1万5113人と、増加数は国内感染が初めて確認された2月21日以降で最多となった。
コンテ首相は前日、新型コロナ対策を強化すると発表。食料品店と薬局を除くすべての小売店舗とレストラン、バーなどの閉鎖を命じた。
12日は首都ローマにある900カ所以上のカトリック教会が閉鎖を命じられるという近代では前例がない措置がとられた。
ミラノ株式市場では株価指数FTSE・MIB (FTMIB)が17%安でこの日の取引を終了、過去最大の下落率を更新した。
イタリア国内の感染急拡大を受け、多数の国がイタリアからの入国禁止を決定しており、航空便の相次ぐ欠航や一部の空港の閉鎖につながった。
政府の緊急命令の下、不要不急の移動は全て禁止されており、外出する場合はその理由を記入した書類を携帯する必要がある。
ルール違反が見つかれば、最長3カ月の禁錮刑と最大206ユーロ(231ドル)の罰金が科される。新型コロナの感染者が2週間の隔離義務に従わない場合は、1─12年の禁錮刑が科される。
これまでのところイタリア国民の間では移動制限への反発は少なく、ある世論調査によると、国民の8割強が政府の決定を支持している。