[ベルリン/フランクフルト 20日 ロイター] - ドイツでは新型コロナウイルスの感染拡大抑制のために実施された約1カ月に及ぶロックダウン(都市封鎖)を経て、今週から一部の店舗が営業再開を始めた。一方、メルケル首相は流行第2波を回避するため、営業自粛継続を呼び掛けている。
国内16連邦州の知事による合意の下、自動車ディーラーや自転車ショップ、書店など800平米の店舗が今週から営業再開することが認められた。
もっとも、新型コロナ抑制措置の緩和は段階的で、ソーシャル・ディスタンシング(社会的距離)措置は5月3日まで実施。学校再開も2週間後の5月4日で、最終学年の生徒から優先される。美容院の再開はその後となる見込み。メルケル首相と州知事らは4月30日に再び会合し、5月3日以降の展開について協議する。
ドイツ周辺国では、チェコ共和国でファーマーズマーケットや工芸品店、自動車ディーラー、ペットサロンなどが営業を再開。オーストリアでも先週火曜から抑制措置が緩和され、ホームセンターや園芸用品店、小規模店舗などが再開。5月中旬から美術館や図書館も再開される見通し。ルクセンブルクでも同様の店舗が再開されるという。
一方、メルケル首相は与党・キリスト教民主同盟(CDU)の幹部らに対し、国内の感染リスクは依然高いと指摘。記者団に対しては、抑制措置の緩和による感染率への影響を確認するには14日かかるとし、「引き続き警戒し自粛する必要がある」と述べた。
また尚早な措置緩和によって感染が急拡大する恐れがあるとし、感染が再び急拡大した場合には再び抑制措置を強化しなければならないとした。
ドイツで確認された新型コロナ感染者数は米国、スペイン、イタリア、フランスに続き世界で5番目に多い。19日時点の感染者数は前の日から1775人増え14万1672人に達したが、新たな感染者数は2日連続で減少。死者数は110人増加し4404人となった。