[ロンドン 3日 ロイター] - イングランド銀行(英中銀)は3日、英政府と欧州連合(EU)の交渉が今年末までの移行期間中にまとまらなかった事態に備えるべきという見解を示した。
声明で「英国の金融システムが直面するかもしれないあらゆるリスクに備えることが英中銀の基本的な責務だ」と指摘。「将来の貿易関係を巡る英EU間の交渉が合意に至らない可能性は、英国の銀行が今後数カ月で備える必要があることの1つだ」とした。
スカイによると、ベイリー総裁は、2日の主要行との電話会議で、合意なき離脱への備えを強化すべきと強調した。
バークレイズ (L:BARC)、RBS (L:RBS)はコメントを控えた。HSBC (L:HSBA)、ロイズ (L:LLOY)からは現時点でコメントを得られていない。
英国は1月末にEUを離脱し、年末までは激変緩和のための移行期間にある。この間に金融サービス等の制度などをEUとまとめなくてはならないが、交渉は難航している。
大手銀行2行の関係筋はロイターに対し、英国を拠点としていた従業員や幹部らをすでにEU域内の新しいオフィスに異動させており、業務面では合意なき英EU離脱に対応するため長期間にわたり準備を進めてきたとした。
グレン金融サービス相は3日、英金融サービス業界は「世界クラス」だとし、離脱交渉がどのような結果になろうとも準備は整っていると指摘。英国はEUとの包括的な自由貿易協定(FTA)の締結を引き続き想定していると語った。
*内容を追加しました。