[ドバイ/モスクワ 3日 ロイター] - サウジアラビアとロシアは、減産合意を順守しなかった国に対する圧力を強めながら、現行の協調減産を1カ月延長することで暫定的に合意した。石油輸出国機構(OPEC)加盟国とロシアなどの非加盟国で構成する「OPECプラス」関係筋がロイターに対し明らかにした。
OPEC関係筋は「サウジとロシアは1カ月の延長で歩調を合わせている」とし、「減産合意のいかなる延長も、5月に合意を完全順守しなかった国が今後、これまでの過剰な生産を相殺するために減産するかにかかっている」と述べた。
OPECプラスは、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた原油価格を支えるため、5─6月に日量970万バレルの減産を行うことで合意。減産規模は世界の原油供給の約10%に相当する。
OPECプラスは6月9─10日に会合を開く予定だが、OPECの議長国を務めるアルジェリアが4日への前倒しを提案。ただ関係筋は、会合の前倒しは現行の協調減産順守が条件になるとし、現時点では、合意水準を超えたこれまでの産油量にどう対応するかが協議されていると指摘。「解決が必要な問題が多いため、4日に会合は開催されないと予想している」と述べた。
OPECプラスの協調減産に加え、サウジ、クウェート、アラブ首長国連邦(UAE)は自主的に合計日量118万バレルの減産を実施しているが、複数の関係筋は、3カ国はこの自主的な減産を継続する意向を持っていないことを明らかにした。
OPEC加盟国では、イラクとナイジェリアの減産合意順守率が低迷。加盟国外ではカザフスタンが順守していない。
OPEC関係筋は「新型コロナウイルス感染拡大抑制策が緩和される中、原油市場は全般的に正しい方向に向かって進んでいる。ただ、感染拡大の第2波が発生するリスクは常に存在しているため、慎重を期す必要がある」と述べた。
*内容を追加しました。