[バチカン市 3日 ロイター] - ローマ教皇フランシスコは3日、米国で人種差別に対する抗議行動が続いている事態について、人種差別は容認できないとしたうえで、路上での暴力行為は「自己破壊的」だとし、国家規模の和解を実現するよう求めた。
米国ではアフリカ系男性のジョージ・フロイドさん(46)が白人警官に約9分間にわたって膝で首を押さえられて死亡したことをきっかけに、抗議行動が8日間続いている。
教皇は、週定例の謁見式で行った英語による講話の全文をこの問題に費やし、今回の事件について初めて発言。フロイドさんの死は「悲劇」だとし、フロイドさんを含め「人種差別の罪」の結果死亡したすべての人のために祈っていると述べた。
講話で教皇は、「友よ、われわれは、人種差別やあらゆる形での排除を容認したり、見て見ぬ振りをすることはできない。一方で、すべての人命が聖なるものであることを擁護する声を上げなければならない」と指摘。
また、「同時にわれわれは、昨今毎晩発生している暴力行為は自己破壊的であることを認めなければならない。暴力から得るものは何もなく、多くが失われる」と述べた。