[ソウル 4日 ロイター] - 北朝鮮は4日、米国内の人種差別への抗議活動で米政府は「犬を放つ」と脅しをかけて鎮圧を図っているとし、香港情勢や人権問題で中国を批判する立場にはないと批判した。
北朝鮮の主要紙の1つが、ポンペオ米国務長官を批判した朝鮮労働党国際部の報道官の発言として報じた。
ポンペオ氏は先月31日に米FOXニュースに対し、中国共産党による最近の行動は「西側の考え方や民主主義、価値観を破壊する決意」を示唆し、「米国人をリスクにさらしている」と発言。
同報道官は、ポンペオ氏の香港、台湾、人権、貿易摩擦に関する発言は「ナンセンス」で、中国共産党の指導部を中傷していると指摘。
「他国に対するスパイ行為と策略に心底没頭してきたポンペオ氏は、どこから日が昇り、どこに日が沈むのかも見分けられないほどの無知になった」とし、米政府要人によるこのような発言は米国の衰退を指導部が懸念している兆しだと主張し、米国で繰り広げられているデモを引き合いに出した。
「極端な人種差別者に激怒したデモ隊はホワイトハウスにも押し寄せている。これが今日の米国の現実だ。米国のリベラリズムと民主主義はデモ隊を左派として抑えつけ、鎮圧のためには犬も放つと脅しをかけている」とした。
トランプ氏は前週末、ホワイトハウス周辺のデモへの大統領警護隊(シークレットサービス)の対応を称賛し、デモ隊が侵入していたら「どう猛な犬と恐ろしい武器が出迎えていただろう」とツイートしていた。
韓国の聯合ニュースによると、朝鮮労働党国際部が独自の声明を出したのは、金正恩委員長が2011年に最高指導者の地位について以降で初めて。