[12日 ロイター] - 英銀大手バークレイズは12日、2020年原油価格の見通しを1バレル当たり4ドル上方修正した。今年下半期に予想される供給不足が従来よりも大幅になるとの見込みを踏まえた。ただ、価格の回復ペースは短期的に緩やかになるとした。
北海ブレント (LCOc1)と米WTI (CLc1)の価格見通しはそれぞれ、1バレル=41ドルと同37ドルに引き上げた。第3・四半期については北海ブレントの平均価格が37ドル、米WTIが34ドルと予想した。
バークレイズは調査ノートで「市場の基礎的条件が変化するペースは著しく鈍る可能性が高い。行動制限の緩和よりも消費者の行動が需要の緩やかな改善を大きく左右する要因になるとみられるからだ」とした。
原油価格は今週急落し、北海ブレントは現時点で週初から約11%、WTIは10%強、それぞれ下げている。7週間ぶりの下落となる見通しだ。
バークレイズはゴールドマン・サックス (N:GS)など他の金融大手と同様、これまでの原油価格の戻りはあまりにも急激だったと指摘。
「われわれの見方では、価格回復ペースは鈍る可能性が大きい」とし、供給の大幅減と需要の急回復はともにピークを越えたとみられるとの見解を示した。
原油先物は週初に、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」が現行水準での協調減産を7月末まで延長することで合意したのを受け、3カ月ぶりの高値を付けていた。[nL4N2DL09K]
需要に関するデータやOPECプラスの減産継続といった最近の前向きな動きを受けて、2020年下半期に推定される供給不足は日量約100万バレル拡大する公算が大きいとした。