[クアラルンプール 26日 ロイター] - マレーシアのムヒディン首相は26日、今後ミャンマーからのロヒンギャ難民を受け入れるのは不可能と表明した。新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済の困難と資金減少を理由に挙げた。
イスラム教徒が国民の多数を占めるマレーシアは長らく、ミャンマー軍による掃討やバングラデシュのキャンプから逃れてくるロヒンギャ難民にとって好ましい避難先となっていた。
しかしマレーシアは難民認定を行なっていないほか、国内では外国人が新型コロナを持ち込んで乏しい国家資金を消費しているとの怒りが噴出しており、同国は最近、難民船を拒否したり、数百人のロヒンギャ難民を拘束したりしている。
首相は、ミャンマーを含む東南アジア諸国連合(ASEAN)指導者との電話会議で、「新型コロナにより我が国の資金と対応能力はすでに限界を超えている。これ以上の難民は受け入れられない」と述べた。
また「にもかかわらず、マレーシアはより多くの難民受け入れを不当に期待されている」と付け加えた。
ロヒンギャ族の扱いについてはASEAN内で意見が分かれており、イスラム教国のマレーシアとインドネシアが仏教国のミャンマーを批判するとともに、ロヒンギャ難民が人身売買船で到着していると不満を強めている。