[モスクワ 29日 ロイター] - ロシア大統領府(クレムリン)は29日、ロシアがアフガニスタンの反政府勢力・タリバン系の武装勢力に対し、アフガン駐留米兵の殺害で報奨金を支払ったとの米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)の報道を「虚偽」として否定した。
トランプ米大統領も28日、報道内容のような報告は受けていないとした。
ペスコフ報道官は記者との電話会議でNYT報道について問われ、メディアはトランプ氏の発言に注意を払うべきと指摘。またNYTが報じた疑惑に関し、トランプ氏とプーチン大統領が話し合ったことはないとした。
こうした中、米紙ワシントン・ポスト(WP)は、ロシアがタリバン系の武装勢力に支払った報奨金が米兵数名の死亡につながったことを米情報当局が突き止めたと報じた。
複数の政府筋はロイターに対し、ロシアの軍事情報部がアフガニスタンで米兵などの殺害に向けタリバン系の武装勢力に報奨金を支払ったとする米軍の機密情報報告書の存在を認めた。
情報筋によると、米政府機関や専門家は同報告書に信ぴょう性があると見ているという。
ペロシ下院議長(民主党)は29日、ラットクリフ国家情報長官とハスペル中央情報局(CIA)長官宛ての書簡で、同件について速やかに下院で説明するよう求めた。
下院軍事委員会のアダム・スミス委員長(民主党)も「米国民は、米軍人の殺害に直接つながった可能性のあるロシアの作戦に関し、ホワイトハウスが把握していたことを知る権利がある」と指摘。同委員会の共和党トップ、マック・ソーンベリー議員は記者団に対し、説明の先送りは「受け入れられない」と述べた。
関係者によると、共和党の一部議員は同件について29日中にホワイトハウスで会合を開く見込み。ただ民主党議員に対し、会合への参加の打診はないという。
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