[シドニー 21日 ロイター] - オーストラリア準備銀行(RBA、中央銀行)のロウ総裁は21日、政府に景気回復支援のため借り入れを増やし公共投資を増やすよう促した。「国益の点から正しいこと」との認識を示した。
「COVID─19(新型コロナウイルス感染症)と労働市場、公的部門のバランスシート」と題した演説で述べた。
公的部門のバランスシートはしっかりしており、豪経済の土台は強固との見方を示した。
金融・財政政策措置も、豪経済回復へ重要な役割を果たしていると指摘。豪経済は1930年代以降最悪のショックに直面し、失業率は22年ぶりの高水準となっている。
総裁は、状況改善に向けた政府の選択肢の例として、家計や企業への直接のキャッシュ移転、インフラへの公共投資拡大、賃金への補助金などを指摘。
「これらの措置は現在の豪経済を支え、極めて重要な自信の支援にもつながる。継続的な財政刺激の必要なしに、通常の支出・消費パターンに戻る手助けとなる」と述べた。
また総裁は、このように公的部門のバランスシートを利用することは、必然的に政府の借り入れ増大につながるとの見方を示した。
その上で「低水準の財政赤字と公的債務に慣れている国にとって、これは大きな変化だ。しかし、完全に管理可能かつ負担できる変化であり、国益にとって正しいことだ」と述べた。
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