[ヨハネスブルク 28日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)は28日、新型コロナウイルスの影響により、今年の南アフリカ経済は7.2%縮小する可能性が高く、債務返済の増加が回復を妨げるとの見方を示した。
報告書で、景気後退により債務削減や財政赤字縮小に向けた南ア政府の能力が制限されると指摘。「多額の救済措置にもかかわらず、パンデミック(世界的大流行)は2020年の南ア経済を深刻なリセッション(景気後退)に追い込み、財政赤字と債務に悪影響を及ぼすだろう」とした。
また、南アの連結財政赤字の対国内総生産(GDP)比は16%に達し、公的債務の対GDP比は20年に78.1%、21年に82.4%になると予想した。
見通しには「顕著な下振れリスクを伴う」とし、リスク要因として、国債発行の増加や社会的不安定性、国営電力会社エスコムなど国有企業への救済措置などを挙げた。
IMFは「10月の中期予算案で具体的かつ明確な財政健全化にコミットすることは、改革に向けた取り組みへの信頼性を築き、その後の着実な実施につなげるための重要な一歩となる」とした。
南アの財務相と中銀総裁はIMFへの書簡で、債務削減に向け「現在実施されている歳出上限に加え、債務上限を導入することを検討している」とした。