[イスタンブール 29日 ロイター] - トルコ中央銀行は29日に発表した四半期報告書で、インフレ率予想を引き上げた。ただ、ウイサル総裁は、インフレ率は間もなく鈍化するとの見方を示した。
総裁は外貨準備の大幅減少について、新型コロナウイルスの感染拡大のような状況で大きく変動することは異常ではないと指摘。今週に入り一時1.5%下落した通貨リラ相場には言及しなかった。
中銀は、新型コロナウイルスの感染第2波が起きないことを前提に、2020年末のインフレ率予想を8.9%とし、前回予想の7.4%から引き上げた。インフレ率は21年末までに6.2%に低下すると予想。前回は5.4%に低下すると見込んでいた。
6月の消費者物価指数(CPI)は前年比12.62%上昇し、中銀の目標を大きく上回った。エコノミストはおおむね、年内インフレ率は高水準で推移すると予想している。[nL4N2EA2C9]
総裁は、新型コロナ感染拡大に伴い増加した需要は今後落ち着き、通常の状態に戻ると説明。インフレ率は7月から低下トレンドに入ると指摘した。
中銀はここ数四半期、インフレ率予想を下方修正してきたが、総裁は、輸入品と食品価格動向などが見通し変更の一因だと説明した。
また、外貨準備は、短期的な債務返済に対応できる水準だとし、下期に外貨準備の状況が改善するとの見方を示した。