[台北 31日 ロイター] - 台湾主計総処が発表した第2・四半期の域内総生産(GDP)速報値は前年比0.73%減少し、世界的な金融危機で打撃を受けた2009年第3・四半期(1.13%減)以来約11年ぶりの大幅なマイナスとなった。
新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で観光業が打撃を受けたことが背景。ただ、IT技術への世界的な需要が影響の一部を補った。
ロイターがまとめた市場予想は0.55%増だった。第1・四半期GDPは1.59%増加していた。
当局は第2・四半期の落ち込みについて、台湾訪問者が前年比99.5%激減したことが要因としている。
主計処の当局者は、観光業の厳しい状況により個人消費が前年比5.13%減と過去最大の落ち込みを記録し、投資と鉱工業生産の伸びが相殺されたと説明。「(GDP)減少の実際の要因は、外国人観光客の支出喪失につながった広範に及ぶ規制だ」と述べた。
ただ、新型コロナの影響で在宅勤務が続く中、通信機器の輸出は12.5%増と依然として堅調だった。
第2・四半期の輸出はドル建てで2.4%、輸入は4%、それぞれ減少した。
一部のアナリストは、技術輸出が予想以上に堅調だったことや、政府の効果的な景気対策により内需回復が見込まれることから台湾経済の見通しについて、楽観的な見方を強めている。
台湾は厳しいロックダウン(封鎖)措置を講じた国々ほど大きな打撃を受けていないが、当局は経済の不透明感を繰り返し指摘。5月には、今年の経済成長率予想を従来の2.37%から5年ぶり低水準となる1.67%に下方修正した。