[ベイルート 26日 ロイター] - レバノン新首相に指名されていたムスタファ・アディブ氏は26日、首相就任を辞退すると発表した。1975─1990年の内戦以来最悪の経済危機脱却に向けた取り組みを後押ししてきた旧宗主国フランスにとっても打撃となる。
アディブ氏は8月31日に首相指名を受け、9月中旬までの超党派による新内閣樹立を目指していた。
レバノン議会は議席をイスラム教とキリスト教の各宗派に割り当てている。組閣にあたり財務相など新内閣の主要ポストを巡りアディブ氏による調整が暗礁に乗り上げた。
仏政府が主導する工程表に基づき、新内閣は汚職の一掃や国際的な資金支援の獲得に必要な構造改革に取り組むはずだった。
マクロン仏大統領筋はアディブ氏の指名辞退に至った事態について各政党の「集団的裏切り」に等しいと批判。ただ、レバノンを見捨てることはないと明言した。