[ウェリントン 28日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)のアーダーン首相は28日、英豪系資源大手リオ・ティントが来年までの閉鎖を発表した同国のアルミニウム製錬所について、自身が10月17日の総選挙で再選を果たせば、3─5年の操業延長を交渉する考えを示した。
製錬所「ニュージーランド・アルミニウム・スメルター(NZAS)」の閉鎖は数千人の雇用を失業リスクにさらし、大手電力会社の収益悪化にもつながるため、選挙戦で繰り返し話題に上っている。
リオは高い操業コストと厳しい市況を理由に、2021年8月までに閉鎖する方針を発表している。
アーダーン氏は遊説先の同国最南端サウスランド地方で開いた記者会見で「製錬所の寿命をあと3─5年延ばすことを求めている」と表明。当面の雇用を守り、地元自治体が将来的な機会を検討し、計画を立てる時間的猶予を確保するためだとした。
NZASは国内電力消費のおよそ12%に相当する年間5000ギガワット時の電力を使用する大口需要者で、約1000人を直接雇用し、間接的に同地方で約1600人の雇用を創出している。
アーダーン氏は、自らが率いる労働党が再び政権を握れば、リオ・ティントおよび国営送電会社トランスパワーと協力して、閉鎖時までの適正な送電コストを決定し、他の需要家に対する電力価格への影響を抑える考えだとした。
リオの太平洋事業の幹部、ケリー・パーカー氏はアーダーン氏の発言を受け、電子メールで「製錬所にとってより公正な価格を決めるための協議の継続には常に前向きだ」と表明。同社は何年も前から、同製錬所の閉鎖をちらつかせ、政府に追加補助金を要求してきた。アーダーン氏は、追加で直接的な補助金を出す可能性を否定した。