[ソウル 28日 ロイター] - 韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は28日、漁業当局の男性が北朝鮮の部隊に射殺された巡り、予想外の事態を回避するために、南北間の軍事ホットラインを再開すべきだとの認識を示した。韓国軍は、殺害された男性の捜索態勢を強化した。
この件で、北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は韓国国民を失望させたことを「申し訳なく」思うなどとした書簡を韓国側に送っている。
文大統領は、金委員長の謝罪のことは「過去に例がなく、非常にまれで特別」なことで、北朝鮮が関係悪化を望んでいないことを示唆するとし、軍事ホットラインを再開すれば、連絡や将来の救出作業が行いやすくなるとの認識を示した。
韓国側は、北朝鮮に事件の共同調査を呼び掛けているが28日時点で反応はない。
北朝鮮の朝鮮中央通信は27日、韓国軍の遺体捜索活動を「緊張を高めかねない軍事境界線の侵犯行為をすぐにやめるよう求める」と非難した。
韓国海洋警察庁の高官は「われわれは、(黄海における北朝鮮と韓国の境界の)北方限界線(NLL)の北側には決して行っていないが、洋上の境界設定については双方で見解の相違がある」と述べた。
同高官によると、捜索には少なくとも航空機6機と船舶45隻が参加。船舶は海洋警察庁と海軍から36隻、海洋水産省と民間の9隻で構成するという。
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