[ミンスク 28日 ロイター] - 8月の大統領選挙を巡る混乱が続くベラルーシで反政権派の運動に参加してきたノーベル賞作家のスベトラーナ・アレクシエービッチ氏がドイツに向け出国した。同氏の支持者は、出国は医学的な治療を受けるためで、政治とは関係がないとしている。
アレクシエービッチ氏は、公正な再選挙を求め反政権派が設立した「調整協議会」の国内に残る幹部2人のうちの1人だった。
同氏の支持者はロイターの電話取材に対し、治療と仕事のためにドイツに向かったと説明。スウェーデンのブックフェアのほか、シチリア島で行われる授賞式に出席した後、「ベラルーシに帰国する」と述べた。ただ「帰国は、ベラルーシ当局による許可次第」とも語った。
調整協議会はアレクシエービッチ氏の出国についてコメントしていない。
アレクシエービッチ氏は2015年にノーベル文学賞を受賞。在ベラルーシ・リトアニア大使館の外交官によると、ベラルーシ当局がアレクシエービッチ氏に対し何らかの措置を取った場合に備え、西側諸国の外交官が交代でアレクシエービッチ氏の自宅にとどまっていた。
ベラルーシでは8月9日の大統領選以降、抗議デモが続いており、これまでにデモ参加者1万3000人以上が身柄を拘束されている。