[パリ 3日 ロイター] - フランス中央銀行のビルロワドガロー総裁は3日、国内ラジオ局とのインタビューで、新型コロナウイルスを受けた景気対策が例外的措置であることを考慮しても、同国の歳出は危険な水準に膨れ上がっているとの警戒感を示した。
歳出管理に再び取り組むべき時だと強調し、ここ10年歳出は実質1%のペースで拡大し続けていると説明した。
フランス政府は先月、新型コロナウイルス対策の一環である1000億ユーロ(1170億ドル)規模の景気対策の詳細を明らかにした。対策の規模は、国内総生産(GDP)の4%に相当する。
総裁は、フランスの社会保障制度は他の欧州諸国とほぼ変わりはないとした上で、予算が非効率的に使われている問題があると指摘した。
新型コロナにより正当化される債務がある一方で、危険な債務もあるとし、歳出がこのまま歳入を上回れば、借り入れコストが上昇し、債務返済負担も増えると指摘。市場から資金が調達できない状態になる可能性もあると警戒感を示した。
S&Pグローバル・レーティングは2日、フランスの長期債務格付けを「AA」で据え置いた。同国の最近の経済、財政、および構造改革の進展により経済の新型コロナへの対応力が高まったと指摘した。