[ブラジリア 5日 ロイター] - ブラジル中央銀行のカンポス・ネト総裁は5日、政府が歳出上限を守ったとしても、巧妙な方法で歳出を拡大するようなら、中銀は低金利を長期間維持するという「フォワードガイダンス」を取り下げる可能性があると述べた。
同総裁はオンラインのイベントで、ブラジルの金利曲線は財政に対する信頼感と密接に関連しており、民間投資を促すためには長期金利の低下が必要だと指摘した。
中銀は10月の会合で政策金利を過去最低の2.00%に据え置くとともに、フォワードガイダンスを維持した。その際に発表された金融政策声明は、最近のインフレ率上昇や財政を巡る懸念に対してより強い姿勢を示すと期待していた一部のエコノミストの失望を誘った。[nL4N2HJ54S]
カンポス・ネト総裁は5日、歳出の伸びがインフレ率を上回ってはならないとする政府の財政ルールに言及し「中銀は歳出上限を注視しているが、当然、さらなる恒久的な歳出を生み出そうとする巧妙な方法も(上限)突破とみなす」と述べた。
多くのエコノミストは、ブラジルの歳出が早ければ来年にも上限を突破するとみており、ここ数カ月で長期金利が大きく上昇する要因になっている。
カンポス・ネト総裁は、長期金利を低下させるためには、記録的な水準にある財政赤字や公的債務の抑制に向けた長期的かつ真剣な取り組みが唯一の方法だとの考えを改めて示した。
また、10月の金融政策声明で「小幅」な追加利下げ余地への言及を削除していたとすれば、市場で「不要なノイズ」を生んだだろうと指摘。このため、中銀はその後に公表した議事要旨で、金融安定面のリスクを踏まえて追加利下げは見送られる可能性が高いと説明することに努めたという。
アナリストによると、3日に公表された議事要旨が先月の金融政策声明よりタカ派的なトーンとなったことを受け、通貨レアルは上昇し、イールドカーブはフラット化した。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201105T233254+0000