[メキシコ市 12日 ロイター] - メキシコ中央銀行は12日、政策金利を4.25%に据え置いた。市場では利下げが見込まれていたため、予想外の結果だった。インフレ圧力を巡る状況を見極めるため、利下げを「停止」する必要があるとの見方を示した。
中銀は2019年8月以来、前回会合まで連続で利下げを実施しており、約1年半ぶりの据え置きとなった。
中銀の5人の委員のうち4人が据え置きに賛成し、1人は0.25%の利下げを主張した。
ロイター調査のアナリストは4.0%への利下げを予想していた。
中銀は声明で「(利下げ)停止によってインフレ率の軌道が目標水準に収束するのを確認するために必要な猶予が確保された」とした。
メキシコの10月の消費者物価指数(CPI)は前年比4.09%上昇と、17カ月ぶりの大幅な伸びとなり、中銀の目標上限から一段と上振れた。中銀のインフレ目標は3%で上下ともに1%ポイントの許容範囲が設けられている。
メキシコペソ
ロペスオブラドール大統領は10月23日に金利はなお高水準で、国民がお金を借りやすくし、景気回復を促進するにはさらなる低下が必要だと述べていた。
キャピタル・エコノミクスの新興国市場チーフエコノミスト、ウィリアム・ジャクソン氏は、「中銀は緩和サイクルに区切りを設けたわけではない」と指摘。1人の委員が0.25%の利下げを主張し、前回会合の議事要旨でもその他2人の委員が態度を決めかねている可能性が示されていると説明。中銀の「停止」という文言やペソの最近の対ドルでの上昇、新型コロナウイルス流行の景気への影響を踏まえると、今後、追加の政策支援を議論する強い根拠がなおあると述べた。 OLJPWORLD Reuters Japan Online Report World News 20201112T224841+0000