[クアラルンプール 13日 ロイター] - マレーシア中銀が発表した第3・四半期の国内総生産(GDP)は、前年比2.7%減少した。ロイターがまとめたアナリスト予想(3.2%減)よりも小幅なマイナスにとどまった。政府が新型コロナウイルス感染防止策を一部緩和する中、消費支出が上向き、企業活動も再開した。
第2・四半期のマレーシアGDPは前年比17.1%減と、2009年の世界金融危機以降で初のマイナス成長に陥った。
中銀は、経済は第3・四半期に大幅に改善したと指摘。事業や雇用が持ち直し、国内支出や、大半のセクターの活動を押し上げたとした。
ノル・シャムシア・ユヌス中銀総裁はオンラインの記者会見で「世界の需要の回復や、国内の経済活動の正常化に支援され、成長は2021年に向けて上向く」との見方を示した。
第3・四半期は、民間消費が2.6%減で、第2・四半期の5.6%減から減少幅が縮小。第2・四半期に15.1%減少した輸出(グロスベース)は、第3・四半期は4.4%増となった。
中銀は、今年の125ベーシスポイント(bp)の利下げが2021年の成長を下支えすると主張。その上で「政策支援や援助」を続ける姿勢を示し、「金融政策に関する今後の議論は、引き続き、変化する状況を踏まえて行う」とした。
中銀は、2021年の経済成長率見通しを上方修正。従来の平均6.75%から7%(予想中央値)に引き上げた。
バークレイズは、中銀は2021年を通じて政策金利を据え置くと予想。25bpの利下げ確率が低いながらもあるとた。
マレーシアでは10月、新型コロナ感染率の高い地域に絞ってロックダウン(都市封鎖)を実施するなど制限措置を復活させており、一部のエコノミストは、第4・四半期のマレーシア経済に影響すると懸念している。
こうした見方に対して中銀は、新型コロナによる世界の成長へのリスクは和らいだと強調。総裁は「成長へのリスクは、第2・四半期ほど深刻ものにはならない見通し」と述べた。
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