[ウェリントン 18日 ロイター] - ニュージーランド(NZ)準備銀行(中央銀行)は18日、先週の政策決定内容を誤って公式発表よりも前に一部の金融サービス機関に開示していたことを明らかにした。
中銀は先週11日の会合で政策金利のオフィシャルキャッシュレート(OCR)を過去最低の0.25%に据え置くと共に、借り入れコストの低下を促す新たな資金供給プログラム(FLP)を発表した。[nL4N2HX0K4]
中銀の説明によると、一部のノンバンクに宛てた書簡でFLP導入を公式発表の約45分前に開示していた。ただ、FLPに関する具体的な情報はこの書簡には含まれていなかったという。
中銀は「この書簡に含まれていた情報は限定的で、市場での優位性を誰かに与えた可能性は低い。ただ、この問題を深刻に受け止めている」とし、デロイトによる内部プロセスの独立調査を行い終了したら報告すると説明した。
中銀の政策決定を受けてNZドルは11日、2019年3月以来の高値を記録した。
市場関係者は、FLPの導入は広く予想されていたため、公式発表前に一部に情報が開示されたことによる影響はなかったとの見方を示した。
野村オーストラリアの金利ストラテジスト、アンドリュー・ティスハースト氏は「市場で予想されていなかった政策金利に関する情報が事前に一部に開示されていたとしたら、市場で勝ち組と負け組が生じるため憂慮すべき事態になっていただろう」と述べた。
その上で「今回の開示は理想的ではなく、ミスであるのは明らかだ。だが、同日の市場に被害はなかった。中銀もミスを認めており、手続きの見直しを行っていると私は確信している」と語った。
*内容を追加しました。